Vino a Scadenza Controllata

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AOC,DOP につづき、今”VSC” vino a scadenza controllata (賞味期限統制ワイン)なるものが産まれようとしている。

南フランス、ナルボンヌに本拠地をおくGérard Bertrand(ジェラールベルトラン)。ここにシャトーからドメーヌに至り、AOP Corbières-Boutenac, Limoux, Coteaux du Languedoc La Clape, Minervoise 、さらにIGP Pays Cathare 、 Terrasses du Larzacの7つのワイン製造ユニットもつ。このように説明すると、量産の生産者に思われるかもしれないが、ボトルにすると1.400.000本である。

ジェラールベルトラン社は、自然、環境保護に非常にセンシティブであり、且つ実際に活動を行っている。所有する土地の環境保護に非常に貢献し、それはワインのラインにまで集結されている。一つのトレンドとも言えるが、今やどんどん浸透していっている、酸化防止剤無添加ワインをつくっている。

ここまでは、特別な事はなにもない。イタリアでも、多くのワイナリーが、ワイン醸造の中では、勇気のいる決断ともいえるこのイバラの道を進んでいる。

更には、シャンパーニュでも、Drappierの様に、“sans soufre” 酸化防止剤を含まないところもある。いずれにしても、1400000本つくってるとはいえ、ある意味BIOのワインのカテゴリーと言えよう。このナチュラル派のワイン造りと、その生産本数は、フランスのワインジャーナリストの間ではいささか困惑を引き起こしたようだ。一方、アングロサクソンのマーケットでは全くと言っていい程、重要視されず、イタリアでは、まるでなかったかの様に扱われた。

果たして、ベルトランは他社と差別化するために、品質を向上させるために生み出したのか?

酸化防止剤なしのラインは”naturae”と呼ばれていて、ブドウはサステイナブルアグリカルチャー(持続可能な農業)手法をとっており、 Terra Vitisからの認証も得ている。ワイン醸造は、ナチュラルな方法でつくられている。タイプはロゼ、赤、白。ぶどう品種は、少しラングドックの伝統のナチュラルさとは離れている気がするが、シャルドネ、カベルネソーヴィニヨン、メルロー、そしてグルナッシュ、シラーなどは伝統の品種。

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ここでは、ワインの品質について語っているのではないが、世界中で認知と称賛を得たと言っておこう。すべての農業で、遺産の維持、保護がささやかれる韓国ででも、である。そして、最後に最も特異なこととして付け加えたいのが、この“Naturae”ラインの裏面ラベル。こう書いてある「このワインを最大限に評価していただく為には以下の期限までにお飲みになる事をおすすめします」そして、日付が続く例えば「2013年4月30日」などというように…

 

「なぜなら、この期限の後(SO2 酸化防止剤がないとどうなるか知らない方の為に)、酸化防止剤を添加していない事に由来し、軽い濁りや、自然の沈殿が起こる場合があります」と続く。フランスで、これはワインの寿命を自ら宣言している初めての例!との評価もあった。

ノーコメント!

AIS Devinsより

 

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